コーヒーノキは、家庭でも結構立派に育てられます。コーヒーノキとは、あの「コーヒー豆」の取れるコーヒーの木です。
コーヒーの原産地は、エチオピア。つまり、熱帯です。
熱帯生まれのコーヒーは、越冬するのに、最低でも10度くらいの温度が必要です。なので、日本で、戸外でコーヒーを育てられる地域はほとんどありません。冬は、屋内で育てる必要があります。
コーヒーを屋内で育てると、常緑樹なので真冬でも青いつやつやの葉が繁っていて、冬場の緑が少ない時期に、良い色合いと癒しをもたらしてくれ、良い観葉植物になります。
夏の気候は得意なコーヒーではありますが、夏の日差しにも少々注意が必要です。
真夏の日差しで、葉が日焼けをおこしてしまいますので、直射日光に当てないようにしましょう。
コーヒーは、総合的には育てやすい植物と言えます。上記2点以外は、「乾いたらたっぷり水をやる」という基本の水やりを守るだけで、着実に大きくなる植物です。
ただし、
「実がたくさんなって、自家製のコーヒーが飲めるかもしれない」
と期待すると、ちょっとがっかりすることになるかと思います。
家庭で栽培しても、ちらほらと花が咲き、いくつかの実がなるところまではいくのですが、コーヒー農園のように、「枝にびっしりコーヒーの実」となるまで、うまく実らせることは難しいです。また、大量に実ったとしても、皮をむき、干し、焙煎し、という工程は熟練の技術が必要で、素人が面白がってやってみても、おいしいコーヒーにするのは難しいと思われます。(徹底したマニア精神のある方は、トライしてみても面白いかもしれません)
ほんのいくつかでも、コーヒーの実がついて徐々に赤くなっていくのを見るのは感動ものです。
コーヒー苗は、コーヒー好きの方へのギフトとしも喜ばれますので、「自分で実らせてからプレゼントする」という、究極の手間隙かかった贈り物にするのも面白いのではないでしょうか。
下の項で、コーヒーノキの入手の方法、栽培のポイントを紹介します。
ちなみに、観葉鉢で出回っているコーヒーノキは、ほとんどがアラビカ種であり、それ以外のものに出会ったら「相当珍しい」と考えてください。
コーヒーノキは、観葉植物としてはそれほど珍しい存在ではありません。町の園芸屋さんでも見かけることがあります。急ぎ手に入れたいのでなければ、お気に入りの園芸店を定期的にチェックし、気に入るコーヒー苗に出あったときに購入すると良いです。
ネットでも、もちろん手に入ります。値段と大きさを色々比較検討したい希望があるなら、ネットの方が目的にかないます。園芸店では、相当大きいところでも、それほど多数のコーヒーノキ鉢をそろえてはいないからです。なので、手のひらサイズの苗から、2メートル級の大物まで見てみようと思えば、ネットで探してみるのが良いでしょう。
どうしても、自分の目で見たものを買いたい、でもそれほどのんびり待ちたくない、ということであれば、普段から
「コーヒーノキは入りませんか? ぜひ欲しいんだけど」
と、よく行く園芸店にアピールしておくのが良いです。そうすると、お店の仕入れ担当さんが、常時コーヒーノキを気にしてくれるようになる可能性が高いです。
園芸店に注文しても良いのですが、それだと割高になることが多いと思ってください。
以下に、ネットで常時コーヒーノキを扱っているショップを集めてみました。
●楽天市場 コーヒーノキ
●Yahoo!ショッピング コーヒーの木
●ブルーミングスケープ コーヒーの木
◆落葉する
コーヒーノキは本来は常緑樹ですが、温度が低すぎると落葉します。もしも、冬場にぱらぱらと落葉することがあれば、置き場所が適正温度を下回っている可能性を疑ってください。適正温度は10度以上です。
もう一つ、落葉の原因になるのが水の多すぎる状態です。水は、「乾いたらやる」ようにし、乾湿のメリハリをつけましょう。
◆カイガラムシが付く
コーヒーノキにつく虫は、カイガラムシくらいです。
もしも、カイガラムシが付いてしまったら、数が少なければ捕殺(セロテープでくっつけて取ったり、割り箸などでつまみ取り)するか、歯ブラシなどでこすり落とします。それで間に合わない場合は、薬品で除去しましょう。
コーヒーノキは、ハイドロカルチャーでも育てられます。
ハイドロカルチャーとは、土を使わずに、ハイドロボールと呼ばれる発泡煉石(見た目はレンガのつぶつぶみたいなもの)を敷いた中で植物を水栽培することです。
【参考ページ】ハイドロカルチャーを攻略する
※コーヒーは、水栽培のままでは、それほど大きくなりません。しっかり大きく育てたい方は、土に植えて育ててください。
コーヒーには、白い花が咲きます。
花自体は小さく、それほど派手ではありませんが、枝先にたっぷり咲くと、濃い緑の葉とのコントラストが美しいです。
しかし、観葉鉢もののコーヒーノキは、よほどうまく育てないと、それほど花は付きません。
しかも、花の寿命が一日程度ですので、うっかりすると見逃します。たっぷり繁る葉の下に、花が隠れてよく見えないことが多いのです。
もしも、うまく咲かせることができたら、どんな香りがするのか確かめてみてください。
残念ながら、いわゆるコーヒーの香りはしません(したら楽しいと思いますが)。しかし、意外に印象的な、キンモクセイ風の香りがします。滅多に楽しめませんので、そのためにも花を見逃さないようにしましょう。